森のこと
縁ある人や社会に愛情をもつこと
こんにちは!トリイアンドカンパニーの高橋夏希です。
わたしたちの行動理念に「縁ある人や社会に愛情をもつこと」というものがあります。行動理念とは、トリカンがトリカンらしくあるためにスタッフ一人一人が体現していくべき「大切にしていきたい価値観」のことですが、今日はそのうちの一つ「縁ある人や社会に愛情をもつこと」という部分に関して文章にしてみようと思います。
わたしは大学4年間、森林について「広く浅く」勉強しました。「そんなに広く浅く勉強するようなこと、あるの?」と思われるかもしれません。ですが、「森」と一口で言っても、どの視点から森をとらえるか、その切り取り方は本当にたくさんあります。
生態系という視点もあれば、木材の活用、森づくり、林業という視点もあれば森を管理するための政策からの視点もあります。
それだけ森をとらえる視点がたくさんあるというのが、町育ちで自然や木への解像度がとても低かった当時のわたしにとっては、すごく新鮮な気付きでした。

さらにおもしろかったのが、「視点がたくさんある」ことによる、「生きもののとらえ方の違い」を実感したことでした。同じ種類の生きものが、こっちの講義では「悪役」になって、のあっちの講義では「良い役」になるという場面があったからです。そうした例の一つは、「シロアリ」でした。
シロアリは、人にとってはしばしば「駆除すべきもの」「悪役」というイメージがあります。建築材に侵入し、木を食べてしまうためです。大学の「木材保存」に関する講義では「木材がシロアリに食べられないために」防蟻剤について触れられたりしました。
ですが一方で、「森林生態系」に関する講義を受けると、シロアリの別のイメージが立ち上がってきました。木の解体業者としての「良い役」のイメージです。倒木や枯れ木をシロアリが食べてふんとして排出することで、土壌微生物が分解しやすい形へと変えてくれるからです。シロアリがいなければ土の上は倒木や木の枝だらけになり、新たな芽吹きの余地が無くなってしまう。そのため、シロアリはとても重要な役割を担っているのだと知りました。
「シロアリ」=「悪役」というイメージも、視点を変えると、「森の解体屋さん」という見方ができる。少し俯瞰的な立場から学ぶと、愛情をもった森のとらえ方ができるのだと複数の講義を通じて感じたのでした。
縁ある人や社会に愛情を持つ。森もある種の「社会」といえるわけですが、どれだけ「悪役」と感じるものも、いちど俯瞰してとらえてみると愛情をもつことができる。トリカンの理念にこのことが入っているのは、愛情をもつとその分、賢くチャレンジできるからなのかなと感じました。
「どんな立場も、悪役じゃない。視点を変えれば全体のための重要な役割を担っている」そんな感覚が基本姿勢にあると、一時の感情だけで解決しようとするのではなく、フラットな視点からチャレンジできるのかもしれません。
悪い面だけを見るのではなく、その存在が持つ「意味」を見出すこと。 あの時、森林学科の講義で感じた「多角的な視点」を、今度はトリカンというチームの一員として、縁ある方々や社会のためにチャレンジしていきたいと感じました。ここからさらに、目の前の「ご縁」を大切にしていこうと思います。