BLOG「森とくらしのはなし」

森のこと

温暖化の対策に森ができること

気候変動の対策には、二つ、方向性があると思います。「軽減」と「適応」です。

まず「軽減」とは、直接的な原因とされていることへアプローチすること、と考えています。温暖化の場合、直接的な原因は二酸化炭素の排出であるということが有力なため、二酸化炭素の排出を減らしたり吸収させたりするようなものが当てはまります。具体的には石炭火力から再エネへ転換していったり、植林をすることで二酸化炭素の吸収を図ったりなど、他にもたくさんの取り組みがあるかと思います。

もう一つは「適応」。こちらは、温暖化が進行した世界にわたしたちの社会システムを適応させていくことです。温暖化がこのまま進行すると、真夏日と呼ばれる気温が高い日が続いたり、大雨の激甚化、台風の大型化が想定されています。「あまり考えたくはないけれど、そんな状況でも社会活動を止めずに生きていくにはどうしたらいいか」という疑問をベースに、温暖化が進んだ世界に「慣れていく」「適応していく」方法を模索していくわけです。たとえば、日本でも熱帯果樹を多く栽培できるようにしていったり、大雨を効率よく排水させられるような水道インフラを整備したり、などのことが当てはまるかと思います。

基本的には「地球温暖化対策」というと、「軽減の要素だけを持つ温暖化対策」か「適応の要素だけを持つ温暖化対策」のどちらかが多いように感じます。どちらが大事だとかどちらを優先してやっていくか、ということではなく、「どちらも同時並行で進めていく」ということが必要なのかもしれません。

では、森林ができることは「軽減」と「適応」のどちらなのか。というと、答えは「どっちも」です。二酸化炭素の吸収もできるし、今よりも大雨が多くなる世界・今よりも暑い世界に対応することもできます。

成長段階の樹木は光合成活性が高いのでたくさんの二酸化炭素を吸収してくれますし、多様性に富む健やかな森であれば、大雨にも対応できます。手入れがされていなかったり、人の手が入りすぎてダメージとなっている森の場合は厳しいのですが、多様性がある森の場合、根っこが様々な深さに張り巡らされます。そのため樹木が土をしっかりホールドするので、雨が極端に多く降っても、荒れた森と比べると土砂流出は生じにくくなります。

また例えば、都市部の夏ではアスファルトの場所と比べると森林公園の中のほうが圧倒的に涼しかったりします。そんなふうに、樹木の蒸発散や日射の遮断などによる「気候緩和機能」も森林にはあります。夏季におけるヒートアイランド現象を緩和するという意味でも、森林がもつ役割は非常に大きいと言えます。

つまり「軽減」と「適応」の二つの意味で、現状の森をアップデートするということは大切なのかもしれません。

ちなみにトリカンの木造エシカル定温倉庫に関しては、どちらの要素も含んでいると思っています。木材需要を大きくすることで木材生産の循環が高まって、植林する本数も増えて、二酸化炭素を吸収してくれる木が増えるのを期待する「軽減」。

もう一つには、温暖化が進んだことで「コールドチェーン需要が大きくなってきた」という状況に対し、いかに効率よくかつ消費エネルギーを少なくして物をお届けできるか、という現状に「適応」することを期待しています。

「気候変動への対策」「地球にやさしい」といわれるサービスは、世の中にはたくさんあると思います。それぞれが温暖化の解決にどう貢献しているのかを考えるとき、「それらが「軽減」と「適応」のどちらの要素を含んでいるのか」「はたまた、両方の要素を含んでいるのか」という視点を持つと新しい発見があるかもしれません。

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