ニュース&リポート NEWS & REPORT

REPORT

アイシン「人と森をつなぐ森づくり事業」に参加!

PROJECT:流域連携

実施日:2025/10/25(土)
実施場所:ハッピーマウンテン


① 開催の目的

根羽村を源流域とする矢作川は、生活用水としてだけではなく工業用水としても、県の産業を支えています。今回の活動は、企業のネイチャーポジティブ(自然再興)を実現するために、下流域企業が社員に対して森との関わりを創出することを目的に開催されました。自動車部品メーカーのアイシングループが根羽村と連携して取り組んでいる「森林の里親促進事業」の一環である「人と森をつなぐ森づくり活動」に、トリカンから高橋がガイドスタッフとして参加しました。森と人をつなげ、流域単位での価値創造がうまれるような活動を目指しました。


② アイシンと根羽村とのつながり

アイシングループと根羽とのつながりは、矢作川の水源を守るため、2004年の「森林(もり)の里親契約」を結んだところから始まります。企業としての環境に対する責任から根羽の森づくりに対する支援を行い、以降、森づくりや環境教育など多様なイベントを開催しているそうです。今回の活動も、そうした長年のつながりのなかで継続している取り組みのひとつです。


③ 活動の詳細

環境学習(布芝居)

はじめに行われたのは、信州大学の学生による布芝居。「どうして里山を使うことが大切なのか」「森の役割とは」といった話を、子どもたちにとって親しみやすい語り口で紹介しました。
人と生きものとの関わりや、山の管理放棄による災害リスクなど森にまつわる話は複雑なものも多く、はっきりとした答えがでないことがたくさんあります。ですが、こうして布芝居にして伝えるとよくまとまっていて、すごく分かりやすい。参加者の子どもたちが、食い入るように見てくれていたのが印象的でした。
布芝居のあとは、信州大学の造林学分野の教授である城田先生から、ミニ講義もありました。ネイチャーポジティブとは何なのか、今回のイベントにはどんな社会的な価値があるのかなどレクチャーいただきました。

植林活動

布芝居のあとのプログラムは植林体験。サクラやマツ、クリなど多様な樹種の苗木が1世帯に1本ずつ配付され、家族みんなで土を掘り、苗木を植えました。しっかりと根っこが活着するように土をたっぷり入れ、鎮圧してから、バーク(木の樹皮)、芝生の順番で重ねていきます。ハッピーマウンテンの経営者であり今回のメイン講師を担当された幸山さんは、「バークと芝生は森の絆創膏。土がむき出しになっているような裸地の土に活着させると、そこから自然の循環が再生していく。」とおっしゃっていました。

わたしが担当した参加者の子どもたちにもこうした「自然の循環のなかでこの植林がどう作用するのか」という視点を持ってもらえたらと思い、「もし自分が木だったら、どの方向から光を浴びるかな?」といった問いかけを通じて、一緒に苗の植え方を考えました。

樹木はある場所に生まれ落ちると、そこから一生、動くことができません。そのため植林では「木が生きていきやすい場所」を人間が判断してあげることが必要となります。ただ植えるだけの植林ではなく、木にとって適切な環境を選ぶ大切さを共有できたらと感じました。

ネイチャービンゴ

昼食後は、森の中を歩きながら行う「ネイチャービンゴ」。「どんぐり」「シカの骨」「色の違う葉っぱ」など、カードに書かれた「森の面白いもの」を探してカードにチェックを入れていきます。

運営側としては、ビンゴを完成させるということよりも、ビンゴを完成させるプロセスの中で森の生きものや植物と触れ合うのを楽しんでほしいという想いがありました。そんな中、ご家族でいらしていた方のなかには、子どもたちだけでなくお父さんもふん虫探しに夢中になっているような方もいらっしゃり、家族みんなで森を楽しんでくださる姿に嬉しい気持ちでいっぱいになりました。

森のなかではなかなか見つけるのが難しい「正方形のもの」といった難問に苦戦しながらも、親子で話しながら楽しむ姿があちこちで見られました。ビンゴが完成すると、ヒノキやニオイコブシの香りをいかしたキャラメルがプレゼントされ、森とコラボした食べものを知ってもらうことができました。


④ 所感

今回のように、誰かに森のことを伝えるというアウトプットの機会があることで、自分自身の学びもより深まったように思いました。参加者のみなさんに説明するために改めて調べたり、自分なりの言葉で知識を整理する過程は、アウトプットする機会がないとあまり取り組むことがないので、貴重な時間でした。

森について学んでいて面白いのは、「知識がつくと、世界の見え方が変わる」ということです。たとえば植物に関して詳しい人と一緒に歩いていると、道端の木や草の名前を教えてもらえ、「へぇ」と知らなかった植物を知ることができます。そして後日、一人で歩いているとき同じ樹種や草が生えていると、ただの森としてしか認識していなかった空間の中に、知っているその植物だけがどんどん目について見えてきたりします。

そんな「世界の見え方が変わる経験」が積み重なると、森歩きはどんどん楽しくなっていきます。他の森で見つけた植物と安城で再会するなど、自分だけの思い出やストーリーが作られていったりします。そんなふうに、「世界の見え方が変わるきっかけ」を届けることが、私たちガイドの役割なのかもしれない」と、参加者の皆さんが楽しんでいる様子から感じることができました。


⑤ まとめ

森を守る活動は、単に木を植えることではなく、人と自然との関係をもう一度見つめ直す時間でもあります。参加者の皆さんが「森は身近な存在であり、暮らしとつながっている」と実感できる機会づくりを、トリカンとしてこれからも取り組んでいけたらと感じました。引き続き根羽村の森を舞台に、人と森との関わりを構築するために必要なアクションを、模索していきたいと思います。

資料請求・お問い合わせ

我が家プロジェクトの魅力が凝縮された資料を無料でお届けしております。オンラインでのお打ち合わせもご対応可能です。その他、どんな些細なことでも構いません。ご質問がある方はこちらから。

メールでのお問い合わせ

メールでのお問い合わせお問い合わせフォーム

お電話でのお問い合わせ

お電話でのお問い合わせTEL 0566-75-1233