REPORT
安城わくわくネイチャースクールが開催されました
PROJECT:流域連携
毎年、安城市と長野県根羽村が共同で開催している「安城わくわくネイチャースクール」が今年も開催されました。小学校4年生から中学3年生までの計80名が、安城水源の森を日帰りで探索するプログラム。子供たちに「森のなかで思い切り楽しむ」という原体験を、川の上流地域と下流地域が協力して提供するイベントとなりました。トリカンからはコミュニティデザイン事業部の高橋が、事前の企画準備、当日のバスガイド・森ガイドスタッフとして参加しました。
1. 背景・目的
安城市を流れる矢作川は、農業用水としてだけではなく工業、生活用水などふくめ地域住民全体の生活を支えています。ですが一方で、過去には豪雨による洪水被害が発生したり氾濫したりといった事例もあり、自然災害のリスクも抱えています。今回のわくわくネイチャースクールは、安城市の小学4年生から中学3年生を対象に根羽村の森を訪れ、健全な森林循環が守られることの重要性を伝える目的として開催しました。
運営側として最も大切にしていた工夫は、子どもたち自身が森という空間を心から「楽しめる」環境をつくること。頭で得られる学びではなく、心が動く感覚と一緒になった学びこそが、子どもたちにとってかけがえのない財産となると考え、根羽のスタッフは二か月ほど前から念入りな打ち合わせを重ねてきました。
2. イベントの概要

- 開催日時: 2日間(各日40名、計80名参加)
- 開催場所: 安城水源の森(長野県根羽村)、水源公園(愛知県豊田市)
- 参加対象: 安城市在住の小学4年生〜中学3年生
- 参加人数: 延べ80名
- 主要テーマ: 明治用水や森林管理を通じた安城と根羽村の関わり
- コンテンツ開発の基本方針: 子どもたちが森を「楽しむ」ことを最優先し、主体性を育むために、過度にプログラム化しすぎない体験型学習
3. 当日の様子
参加者は、安城市役所からバスで長野県根羽村へ移動し、水源の森での様々な体験を通じて学びを深めました。
3-1. 中流域の見学

まず、行きの根羽村へ向かう道中では矢作川の中流域である明治用水旧頭首工を見学し、上流域と中流域での川の違いを「五感で感じる」ワークを実施しました。「川の様子はどんな感じ?」「目をつぶってみて。何が聞こえる?」といった問いかけを通じ、視覚だけではなく聴覚や嗅覚にも意識を向け、川の多様な表情を感じ取ることができました。
3-2. 森のスープとホットサンドづくり


根羽に到着すると、最初に昼食づくりの時間。森の中では、参加者全員で協力して「森のスープとホットサンドづくり」を行いました。事前に準備した食べられる木(クロモジ、アブラチャン、マツ)を香りづけとして、塩ゆでの鹿肉と野菜がたっぷり入ったスープと、根羽のトマトを使ったホットサンドを作りました。初日はバスのトラブルもありバタバタとしましたが、両日ともに、自分たちで火起こしから行ったお昼ごはんにはかけがえのない美味しさを味わうことができました。

3-3. 森歩き 水のネイチャーワーク


各グループに分かれての森歩きでは、北欧で生まれた「LEAFローカルインストラクター」という自然教育資格を持つスタッフが、水をテーマにしたネイチャーワークを行いました。
私のグループでは「森のスポンジワーク」と名付けた実験を実施。植物が生えていない安城の道ばたの土と、当日、ワークの時間の中で子どもたちに取ってきてもらった森の土を用意し、それぞれ同時に水を流し込むことで、どちらがより適度に水を吸収し、ゆっくりと排水するかを比較。森の土が持つ保水性や排水機能を実際に目で見て体感し、健康な森林が洪水の軽減に果たす役割を実感するきっかけとなればと思いました。
他のグループでは「森の素材だけを使って水を移動!源流リレー」「水と同じものを探せ!森のことば探求」などが実施され、子どもたちは森と水の関わりを五感を使って学ぶことができました。
3-4. 森歩き 森のネイチャーワーク


森の中を散策しながらの「森のネイチャーワーク」では、チェキ(インスタントカメラ)を使ったワークを行いました。歩いているなかで「自分が素敵だと思う森のベストショット」を一人一枚撮影してもらいます。子どもたちはそれぞれ、自分が好きな場所・状況でシャッターを切り、自分だけの「森の宝物」を今回のお土産にすることができました。
4. 参加者の声(イベント後のアンケートから一部抜粋)

- 森の事がたくさん知れた。
- 普段感じられない自然を身近に感じた。
- 先生たちが丁寧親切だった。
- はじめての食材も体験でき、食事が美味しかった。
- お昼ご飯が美味しかったらしく家でも作ってあげると、嬉しそうに話していた。
- 山を登るのが初めてで楽しかった。
- バス移動が楽しかった。
- グループで歩いてご飯を食べたりバスで話すのが楽しかった。
- 森のスープを作って食べた事と、牛のアイスが美味しかった。ホットサンド作りがとても楽しかった。友達ができた事がうれしかった。
- ホットサンドなどの食べ物が美味しかったし、初めての体験が多くあった。全身で自然を体験できた。
- 森の中の散策で、森の中の川の流れの音など自然を感じられたから。
- また行きたいとずっと言ってます。
- ホットサンドが美味しかった。
5. 総括

今回のイベントでは、子どもたちが心から森散策を楽しんでくれたということが最も大きな収穫でした。わたしたち根羽のスタッフは、「楽しさをベースとした学びこそが、かけがえのない知識となっていく」という考えを大切にしながら、ミーティングやスタッフ向けの事前説明会を開催してきました。昨年からコンテンツを大きく変えたり、備品を見直したりと様々なアップデートを行った結果、イベント後のアンケートでは、「普段はできない経験だったので、貴重な思い出になった」「来年もぜひ参加したい」といった声を昨年より多くいただくことができました。こうした活動を通じて同じ流域に属する根羽村と安城市がさらに協力を強め、一緒に矢作流域を守っていく関係性が今後も構築されていくといいなと思いました。
今回の様子は、安城市のホームページでも掲載されています。ぜひご覧ください。https://www.city.anjo.aichi.jp/kurasu/bika/kankyoevent/ekohaisukuru.html